実家を相続し、いざ売却しようとしたとき、多くの人が気になるのが「税金はどれくらいかかるの?」という疑問です。実は、売却益(譲渡所得)に対して譲渡所得税や住民税が発生しますが、3,000万円特別控除や取得費加算の特例を使えば、大幅に節税できる可能性があります。さらに、相続後の売却タイミングやリフォームの有無によっても税額は変わります。本コラムでは、税金の計算方法を具体的な事例とともに解説し、できるだけ税負担を抑える方法を紹介します。実家を相続した方や、これから売却を考えている方は、ぜひ参考にしてください!
▶お見積り・問い合わせ
▶料金のご案内
▶スマホ用メニューのご案内
土日・祝日、時間外でも対応でお見積りもますます便利!
1️⃣不動産売買の基本的な税金の計算方法
相続した実家を売却すると、親が買った時の金額より高く売れると儲けが出ます。これを譲渡所得と言い、これに対し税金がかかります。
その税金は「譲渡所得税」と「住民税」になります。
譲渡所得の計算式
👉 譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)
※売却価格は、家を売った価格になります。
※取得費は、親が買った時の購入費と経費になります。
※譲渡費用は、売った時の不動産業者の手数料などになります。
ここで、気を付けてほしいことは、相続で家を取得してその家を売った場合には、親の状態からさかのぼって計算をすることになります。
また、取得費は、親が購入した時になるため当時の購入時の資料を基にするため、売買契約書などが紛失しているケースが多くあります。その場合は、取得費を次の方法で計算を選択します。
▶取得費の計算
取得費は、不明でも大丈夫
取得費には 「実額法」 と 「概算取得費」 の2つの方法があります。
✅(1)実額法(購入価格がわかる場合)
相続した家の 元の所有者(親など)が購入したときの価格 を取得費として計算します。
📌 計算式
👉 取得費 = 購入価格 + 購入時の諸費用(登録免許税・仲介手数料・不動産取得税など) - 減価償却費
📌 例
- 1985年に 親が2,000万円で購入した家 を2024年に売却
- 土地:1,200万円、建物:800万円(鉄筋コンクリート造)
- 建物の減価償却(耐用年数47年、1.5%償却)
👉 減価償却費の計算
- 800万円 × 1.5% × 39年(1985年購入 → 2024年売却)
- 800万円 × 58.5% = 約468万円
👉 取得費
- 土地:1,200万円(減価償却なし)
- 建物:800万円 - 468万円 = 332万円
- 取得費合計 = 1,200万円 + 332万円 = 1,532万円
💡 「実額法」が使えれば、取得費を高くできるため税金を抑えやすい!
✅(2)概算取得費(購入価格が不明な場合)
もし親が 家を購入したときの価格がわからない場合、または 売買契約書などの証拠がない場合、概算取得費 を使うことになります。
📌 計算式
👉 取得費 = 売却価格 × 5%
📌 例
- 2024年に 4,000万円で売却 し、取得費が不明な場合
👉 取得費 = 4,000万円 × 5% = 200万円
💡 概算取得費は「5%」と低いため、譲渡所得が大きくなり、税金が高くなるデメリットがある
3️⃣ 取得費加算の特例(相続税を支払った場合)
もし 相続税を支払っていた場合 は、取得費に一部を加算できる「取得費加算の特例」を適用できます。
📌 取得費加算の計算式
👉 加算額 =(相続税額 × 売却した不動産の課税価格 ÷ 相続財産の総額)
📌 例
- 相続税として 600万円を支払い、不動産の評価額が 3,000万円
- 相続財産全体の評価額が 5,000万円
👉 加算額 = 600万円 ×(3,000万円 ÷ 5,000万円) = 360万円
💡 取得費に「360万円」を追加できるため、譲渡所得を減らせる!
4️⃣ まとめ
✅ 実額法(購入価格がわかる場合) → 減価償却を考慮
✅ 概算取得費(購入価格が不明な場合) → 売却価格の5%のみ
✅ 相続税を払った人は「取得費加算の特例」で節税
取得費を正しく計算することで 譲渡所得税を大幅に減らせる ので、購入時の資料がないか確認するのが大切です! 😊
📌 かかる税金(譲渡所得税 + 住民税)
所有期間 | 税率(所得税 + 住民税) |
---|---|
5年以下(短期譲渡) | 約39.63% |
5年超(長期譲渡) | 約20.315% |
💡 「所有期間」は、被相続人(亡くなった方)の取得時点からカウントされるため、親が長く住んでいた場合は「長期譲渡(税率20.315%)」になることが多いです。
こちらの税率は、2025年1月15日現在になります
2️⃣ 相続した実家を売却するときの税金の計算方法
これは、特別控除と言ってきほんの税金計算に対し、例外で優遇している税制になります。
▶3000万円特別控除の役割
3,000万円特別控除は、不動産売却時の譲渡所得税を軽減するための制度です。特に、自宅(居住用財産)の売却時にかかる税負担を減らし、円滑な住み替えを促進する 目的があります。また、相続した実家の売却にも適用されるケースがあり、空き家の発生を抑制し、不動産の有効活用を促す 役割も果たしています。控除額が最大3,000万円と大きいため、適用されれば譲渡所得税をゼロにできる可能性もある 非常に重要な税制優遇措置です。
この制度は、納税者が利用できるもので、「利用しなくてはいけない」ものではありません。そのため納税者が「利用したい」と言う意思の表示を行わないと利用できません。つまり、申告書で控除をしないと税務署から控除してくれません。つまり確定申告を行わないと利用ができないという訳です。
✅ (1) 3,000万円特別控除(売却益を最大3,000万円非課税に)
条件
- 亡くなった親が住んでいた家(またはその土地)
- 相続してから売却するまでに「賃貸」などに使っていない
- 相続開始から3年以内に売却(例:2022年に相続 → 2025年12月31日までに売却)
📌 控除の効果
👉 譲渡所得 3,000万円まで非課税!
例:売却益が 3,500万円 → 課税対象は 500万円のみ
💡 申告期限後でも「更正の請求」(5年以内)で適用できることがある
✅ (2) 空き家の3,000万円特別控除(「被相続人の居住用財産の譲渡」特例)
対象となる場合
- 被相続人(親)が 一人暮らし だった
- 昭和56年5月31日以前の旧耐震基準の家
- リフォームせずにそのまま売る or 解体して更地で売る
- 相続開始から3年以内に売却する
📌 控除の効果
👉 譲渡所得 3,000万円まで非課税!(通常の3,000万円控除と同じ)
💡 売却前に耐震リフォームすれば適用できることもあるので注意!
✅ (3) 取得費加算の特例(相続税を支払った人向け)
相続税を払った場合、売却時の「取得費」に一部を加算でき、譲渡所得を減らすことができる。
📌 使える条件
- 相続税を支払っている
- 相続開始から3年以内に売却
- 相続した資産が土地や建物などである
📌 控除の効果
👉 相続税の一部を取得費に加算して税金を減らせる
💡 「3,000万円特別控除」との併用も可能!
3️⃣ 相続した実家を売却するときの注意点
❌ 相続登記をしないと売却できない
❌ 遺産分割が完了していないと売却が難しい
❌ 賃貸にすると「3,000万円特別控除」が使えない
4️⃣ まとめ
✅ 3,000万円特別控除を使えば税金がゼロになることも!
✅ 相続税を払った人は「取得費加算の特例」も検討
✅ 相続後3年以内の売却が節税のカギ!