空き家を売るとき、「片付けは全部きれいにしておけばいい」と思っていませんか?
ところが実際の売買では、“残すべき物”と“撤去すべき物”の区別がとても重要です。
不用意に全部処分してしまうと、売却に有利な設備まで取り外してしまうことがあります。
逆に、残したままにしておくと契約違反になる物もあるのです。
ここでは、空き家管理士の視点から、
「売却前に整えておくべき家の状態」と「残した方が良い場合の判断」を
実務に即して分かりやすく解説します。
売買の対象になる範囲を正しく理解する
不動産売買の対象は、土地と建物、および建物に付属する設備です。
契約書には「土地及び建物並びにその付属設備一式」と書かれますが、実際に“どこまでが対象か”を正確に理解しておかないと、
引き渡しの際に「思っていたのと違う」とトラブルになることがあります。
室内で注意すべき物
区分 | 主な例 | 扱い | 注意点 |
---|---|---|---|
建物本体 | 床・壁・天井・建具・ドア | 不動産(対象) | 改修時に取り外さない |
設備(定着物) | 給湯器・エアコン(壁固定型)・換気扇・風呂釜・照明配線器具 | 不動産(対象) | 原則残す。撤去時は要確認 |
動産(私物) | 家具・家電・衣類・カーテン・カーペット | 対象外(撤去) | 残置物扱いになる |
境界的な物 | 天井照明・床置きエアコン・温水洗浄便座 | 状況次第 | 設置方法により判断が変わる |
💡 判断の目安
「取り外すと跡が残るもの=残す」
「動かせるもの=撤去」です。
屋外で注意すべき物
区分 | 主な例 | 扱い | 注意点 |
---|---|---|---|
土地本体 | 敷地・塀・門扉・配管 | 不動産(対象) | 老朽化がある場合は事前説明 |
定着した工作物 | カーポート(基礎付き)・ブロック塀・地植えの庭木・固定された庭石 | 不動産(対象) | 壊れている場合は撤去の確認を |
動産(移動可能) | 鉢植え・プランター・脚立・自転車 | 対象外(撤去) | 買主が片付けを求めるケース多い |
物置 | 組立式/基礎固定式 | 状況により異なる | 下記で詳しく説明 |
物置の扱い
屋外設備の中でも、最も判断が分かれるのが「物置」です。
種類 | 扱い | 解説 |
---|---|---|
コンクリート基礎付き | 建物扱い(不動産の一部) | 法務局の登記対象。ただし未登記が多い。撤去時は買主と相談を。 |
ブロック・土台に載せただけ | 動産扱い(撤去) | 簡単に移動できるため、原則は処分対象。 |
💡 ポイント
基礎付き物置は「附属建物」として登記可能です。
未登記のままだと、固定資産税の対象外になることもあります。
契約時に存在を明記しておくのが安全です。
植木・庭石の扱い
- 地面に根付いた植木や固定された庭石 → 土地の一部(残す)
- 鉢植えやプランター → 動産(撤去)
- 庭石が装飾的または記念碑的な場合 → 買主が不要とすることがあるため要確認。
判断に迷ったときの対応
残すか撤去するか――判断に迷うときは、必ず担当の不動産会社に確認を取りましょう。
「この設備は残しておいていいのか」「この棚は撤去すべきか」といった判断を、売主が自己判断で行うのは避けた方が安全です。
✅ 不動産会社を通して確認
✅ 買主との直接交渉はしない
✅ 回答を待ってから対応する
買主さんは、まだ正式に引き渡しを受けていない立場のため、
直接やり取りをすると誤解やトラブルの原因になります。
必ず担当者を介して伝え、返答を待ってから作業を進めましょう。
本来撤去すべき動産でも、残した方が売却に有利な場合
原則では「動かせる物=撤去」ですが、
実際の売却では、残しておいた方が印象が良くなる物もあります。
とくに中古住宅や空き家では、「生活のイメージが湧く状態」が買主に安心感を与えることがあります。
残した方がプラスに働くもの
種類 | 理由・効果 | 注意点 |
---|---|---|
清潔なカーテン・照明器具 | 室内が明るく、生活の雰囲気を残せる | 汚れ・黄ばみがある場合は撤去 |
比較的新しいエアコン | 設備価値としてプラス評価される | 動作確認・保証書を添付できると安心 |
ガス台・給湯器・照明配線類 | 撤去すると建物印象が悪くなる | 故障・老朽化時は交換または撤去 |
基礎付きの物置や収納棚 | 収納性をアピールできる | 契約書に「残す」旨を明記する |
手入れされた庭木・庭石 | 景観の良さを維持できる | 荒れている場合は整備または撤去 |
不動産会社と相談して決める
こうした「残した方がいい物」は、
物件のタイプ・買主の層・販売戦略によって正反対の結果になります。
- リフォーム前提の買主 → 空の状態が好ましい
- そのまま住む予定の買主 → 設備や雰囲気が残っている方が印象が良い
したがって、残す・撤去の判断は必ず不動産会社と相談し、
売買契約書の「付帯設備表」や「物件状況報告書」に明記しておきましょう。
契約時の注意
- 残す物は一覧にして書面で共有
- 買主が「不要」とした場合は撤去する旨を明記
- 写真を添付して現況を確認
- 売主・買主・仲介の三者で認識を統一
まとめ
「全部片付ける」が正解ではありません。
清潔で機能が生きている物は、家の価値を引き上げることがあります。
ただし、残す判断は必ず事前相談と書面確認がセット。
それが、トラブルのない売却につながります。
買主への心遣いで、気持ちよい引き渡しを
家の売却は、契約を結んだ瞬間が“終わり”ではありません。
引き渡しの時こそ、**「この家を大切にしてくれる人に託す」**という最後の仕上げです。
ほんの少しの心配りで、買主に安心と信頼を感じてもらえます。
設備や機器のカタログを整理しておく
給湯器・エアコン・IHコンロなど、家に備わっている設備の取扱説明書や保証書、メーカーのカタログを
ひとまとめにしてお渡しすると、とても喜ばれます。
「このボタンはどう使うのか」
「フィルターの掃除はどこから?」
といった小さな疑問を、最初から解決できるからです。
ファイルにまとめて“設備一覧”として残しておくと、管理の印象も良くなります。
ちょっとした日用品・情報を添える
売主の思いやりとして、以下のような物を少し残しておくと、買主に喜ばれることがあります。
- ゴミ出しカレンダー・地域の自治会案内
- 水道・電気・ガス会社の連絡先メモ
- ポストや門扉の鍵・スペアキー
- 室内の換気扇フィルターやスペア電球など
※もちろん、不要と言われた場合は撤去が原則です。
ただし、引き渡し前に不動産会社を通して「残しておいて大丈夫ですか?」と確認しておけば問題ありません。
「住み継ぐ人」へのメッセージ
家を手放すということは、思い出を渡すことでもあります。
だからこそ、ほんの少しの気遣いが相手の記憶に残ります。
「丁寧に使われていた家ですね」
そんな一言をもらえるだけで、
長年の暮らしが報われたように感じる人も少なくありません。
▶ まとめ
設備のカタログや保証書は整理して渡す
地域情報や連絡先なども添えると親切
残す物は事前に確認をとっておく
最後は「気持ちの引き渡し」を意識する
現場で感じた、心に残るひと場面
あるお引き渡しの現場でのことです。
部屋の隅に、エアコンと照明のリモコンがきれいに並べられていました。
よく見ると、電池がすべて抜かれており、取扱説明書と一緒に透明袋にまとめて置かれていたのです。
それを見た買主の方が、
「前の持ち主さんが、ていねいな方だったんですね」と微笑まれました。
この一言に、売主の“見えない心配り”がしっかり伝わっていました。
たったそれだけのことでも、「この家を大切に使ってもらえる」という安心感が生まれるのです。
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